みんなでささえあおう~高齢者が住みやすいまちへ~

地域で高齢者をサポートする地域包括ケアシステムとは

地域包括ケアシステムが抱えている課題について

地域包括ケアシステムは、地域全体で高齢者・要介護者の介護や介護予防の取り組みを行う環境のことです。このシステムが有効に機能することによって、高齢者が快適な暮らしを送ることができるだけでなく、高齢者の家族や介護施設の負担を減らせるといったメリットも得られます。しかし、こうしたコンセプトは非常に魅力的なのですが、まだまだ十分に機能しているとは言えない段階です。現在抱えている最大の課題は、認知度が低い点でしょう。

比較的新しいコンセプト・取り組みというのもあるのですが、実際問題としてこの地域包括ケアシステムという名称を知っている人がどれだけいるのか?まして、コンセプトの内容を知っている人がどれだけいるのか?となると、まだほとんど普及していないレベルと言ってもよいでしょう。知っている人が少なければ浸透もうまくいかず、浸透しなければ環境を築いていくこともできます。認知度・浸透度の観点から見れば、まだスタート地点にすら立っていないといっても過言ではありません。

それから、どうしてもつきまとう介護業界での人手不足です。地域全体で介護の環境を築いていくことで介護業界の負担を減らすこともできるわけですが、一方で介護業界が医療機関やボランティア、一般市民などと連携したうえでの環境の構築が求められます。こうした環境の構築を行っていくうえで十分な人材を確保できているのかとなると、残念ながら人材が不足していると言わざるを得ません。そして、行政が手動する取り組みにどうしても付きまとう横の連携の不足。本当に医療と介護、行政機関、ボランティア団体などがうまく連携しながら取り組みを機能させていくことができるか。まだまだ、未知数と言わざるを得ません。